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猫を飼って5年。医療費の総額を出したくて、この記事を書くことにした。
「猫の医療費は年間いくらくらい?」と調べると、どのサイトも「平均2万〜9万円程度」と書いてある。ただ、それは平均値であって、実際に一人暮らしで猫と暮らした5年間がどういう数字になるかは、自分の記録を出してみないと分からない。
この記事では、猫 医療費 一人暮らしという観点から、僕が5年間で実際に払った医療費の全内訳を公開する。平均値が参考にならない理由も含めて、リアルな数字を見たい人に読んでほしい。
この記事でわかること
- 5年間の医療費総額と年ごとの内訳(実費ベース)
- 費目別に何が高額になりやすいか
- 無保険で膀胱炎治療に約15万円かかったときの経緯

5年間でかかった医療費の総額と年ごとの内訳
先に総額を出す。
5年間の合計:約29万円
ただし、これは黒猫1匹で5年間の数字だ。5年目に2匹目(キジトラのメス)を迎えたので、5年目だけ2匹分の費用が混ざっている。
1年目:迎えてすぐにかかった初期医療費
黒猫を保護団体から迎えたのは、今から5年前。引き取り時にすでに去勢済みだったので、去勢手術の費用はかかっていない。
ただ、迎えた直後にやること——健康診断・ワクチン2回・駆虫処理——がまとまって発生した。
- 初回健康診断(寄生虫検査含む):約8,000円
- ワクチン接種(3種混合・1回目):約4,000円
- ワクチン接種(3種混合・2回目・1ヶ月後):約4,000円
- 軽い胃腸炎で緊急通院1回:約7,000円
1年目合計:約2.3万円
胃腸炎の通院は、迎えて2ヶ月ほどたった頃。ご飯の種類を変えたせいだと思う。吐き戻しが3日続いて、さすがに行った。点滴と薬をもらって1万円弱。このときは「こんなもんか」くらいに思っていた。
2〜3年目:ほぼ平穏。でも定期健診は毎年行った
2年目・3年目はとくに大きな病気やケガがなく、年間の医療費は定期健診とワクチン接種で収まった。
- 年1回の定期健康診断:約8,000〜10,000円
- ワクチン接種(年1回):約4,000円
- 軽い外耳炎で通院1回(3年目):約6,000円
2年目:約1.4万円、3年目:約2万円
外耳炎は3年目の秋頃に発覚。頻繁に耳を掻いているのを見て受診した。点耳薬を処方されて2週間で完治。費用は検査・処置・薬で合わせて6,000円ほどだった。
「猫の医療費なんてこんなもんだよな」と、このあたりまでは思っていた。
4年目:膀胱炎で約15万円。「保険に入っておけば」と初めて思った
問題はここだ。
4年目の秋、夜中にトイレに何度も行くのに尿が出ないか、ほんの少しだけしか出ていない、という状態になった。
深夜1時頃に異変に気づいた。下部尿路疾患のことは事前に調べていたので、「これはまずいかもしれない」という感覚はあった。ただ、朝まで様子を見るべきか、すぐ夜間救急に行くべきか、一人で判断しなければならなかった。
結局、深夜2時に夜間対応のクリニックに電話して「すぐ連れてきてください」と言われた。タクシーを呼んで向かった。
そこから1週間、複数回の通院と投薬が続いた。
- 夜間救急(初診・検査・点滴):約2.2万円
- 翌日以降の通院(3回):各約1.2〜1.5万円
- 超音波検査(膀胱・尿路確認):約1.8万円
- 薬代(1週間分):約5,000円
4年目の膀胱炎治療だけで:約8.5万円
ただし、4年目はこれだけじゃなかった。2ヶ月後に同じ症状が再発して、もう1クール通院が必要になった。
2度目の治療費:約6.5万円
合わせると膀胱炎だけで約15万円。プラス、その年の定期健診・ワクチンで約1.4万円。
4年目合計:約16.4万円
15万円。一度に飛んだわけではなく2〜3ヶ月かけてじわじわと増えていったのだが、合計額を出したときに正直あ、これはきつかったと思った。
一人暮らしの収入から急に15万円が消えるのは、全額自己負担だとかなり重い。このとき初めて、「保険に入っておけばよかった」と思った。
4年目の終わりに、に加入した。
5年目:2匹目を迎えてからのコスト変化
5年目の春に、職場の同僚経由でキジトラのメス(当時1歳・保護猫)を迎えた。
引き取り後3ヶ月で避妊手術を実施した。費用は約3万円。想定はしていたので驚きはなかったが、2匹になってから医療費の構造が変わった感覚がある。
- 黒猫の定期健診+ワクチン:約1.4万円
- キジトラの避妊手術:約3万円
- キジトラの健康診断(迎えた直後):約8,000円
- キジトラのワクチン2回:約8,000円
- その他通院(小さな不調が1回ずつ):合計約1.5万円
5年目合計:約7.5万円
この年から保険料として毎月5,100円(黒猫3,200円+キジトラ1,900円)が出ていくようになった。費用は増えているが、「突発的な大出費でパニックになる」という心理的な負荷は下がった。
2匹目がいると単純に費用が2倍になるわけではなく、たとえばワクチン接種を同日に済ませれば診察料が一部省けたり、健診のスケジュールを合わせることで通院回数を抑えられる面もある。ただ、保険料は2匹分かかるので、固定の支出は確実に増える。
5年間の記録全体を振り返ると、「平穏な3年間と、異常な1年」という構造になっていた。これが猫の医療費の現実だと思っている。

費目別に見ると何が高かったか
5年間の記録を費目別に整理すると、3つに分かれた。
ワクチン・健康診断(毎年ほぼ固定)
年1回のワクチン接種と定期健診は、毎年ほぼ同じ費用で収まる。1匹で年間1.2〜1.4万円程度。
急な出費にはならないので、これはあらかじめ「年間固定費」として計算しておける。
なお、猫の医療費には消費税がかかる。人間の健康保険と違って自由診療なので、支払いのたびに10%上乗せになる点は覚えておいて損はない。猫の食費・医療費の年間合計については農林水産省のペット関連データでも参考になる数字が出ている。
急な通院・投薬(年によってブレる)
外耳炎・胃腸炎・軽い体調不良などで年に1〜2回通院するのはわりと普通だと思う。1回あたり5,000〜1.5万円程度。この費目が「当たり年」か「外れ年」かで年間の医療費が2〜3万円変わる。
手術・入院(1回で家計が揺れる)
これが問題だ。
膀胱炎・誤飲・腫瘍・骨折などは、1回で10〜20万円超えになることがある。年に1回こういう年が来たとして、無保険なら全額自己負担が続く。
僕の場合、4年目の膀胱炎がまさにこれだった。治療が終わった後に「統計的に、猫の慢性疾患は繰り返す可能性がある」と獣医に確認して、いよいよ保険に入る気になった。
参考として、一般的に言われている疾患別の治療費の目安を整理しておく。あくまでも目安であり、病院・地域・症状の重さによって大きく変わる。
| 疾患 | 治療費の目安(参考) |
|---|---|
| 外耳炎(軽度・通院のみ) | 5,000〜1万円 |
| 胃腸炎(通院2〜3回) | 1〜2万円 |
| 膀胱炎・下部尿路疾患 | 5〜15万円(重症度による) |
| 誤飲(手術・入院含む) | 10〜30万円 |
| 慢性腎臓病(長期管理) | 年間20〜30万円以上の場合も |
| 腫瘍(手術・入院含む) | 10〜100万円(ケースにより異なる) |
これを見ると「膀胱炎で15万円」は統計上でも特別高い数字ではないことが分かる。繰り返した場合や他の疾患が重なれば、さらに高額になりうる。
医療費の実態から見えてきたこと
5年間の記録を整理して、気づいたことが2つある。
平均値は参考にならない年がある。
「猫の年間医療費は平均2〜9万円」という数字は間違っていない。ただ、4年目の僕には意味がなかった。平均値を参考に「貯金があれば大丈夫」と判断していたが、膀胱炎だけで15万円かかった年は平均の2〜7倍だ。
突発的な出費のボラティリティが高い。
毎年2万円かかるならそれなりに計算できる。でも「今年は2万・来年は16万」という波の大きさが、一人暮らしの家計にはきつかった。貯金がある程度あっても、「これが続くかもしれない」という不安は別の話だ、と実感した。
一人暮らしの場合は判断を一人でしなければならない。
家族がいれば「今日受診すべきか」「この費用は出せるか」を相談できる。一人だと深夜2時に一人でタクシーを呼びながら判断する。4年目の夜は、隣に誰かいれば「どう思う?」と聞けたのに、という感覚があった。これは費用とは別の話だが、医療費の重さと一人という状況は切り離せない。
疾患は「終わり」ではなく「始まり」になることがある。
膀胱炎の2クール目を経験したとき、獣医から「猫によっては繰り返すことがあります」と聞いた。その言葉がずっと頭に残った。「今回かかった15万円」ではなく「次の15万円も来るかもしれない」という想定が、保険加入を決めた一番の理由だった。
アニコム損保の調査によると、猫の慢性腎臓病では年間の診療費平均が27万円超になることもある。膀胱炎が重篤化したり、別の疾患が出てくれば数字はさらに変わる。

まとめ:5年間の実費公開を終えて
5年間の医療費総額は約29万円。内訳は以下の通り。
| 年度 | 主なできごと | 医療費 |
|---|---|---|
| 1年目 | 初期健診・ワクチン・軽い胃腸炎 | 約2.3万円 |
| 2年目 | 定期健診・ワクチン | 約1.4万円 |
| 3年目 | 定期健診・ワクチン・外耳炎 | 約2万円 |
| 4年目 | 膀胱炎(2クール)・定期健診 | 約16.4万円 |
| 5年目 | キジトラ迎え・避妊手術・各種健診 | 約7.5万円 |
| 合計 | 約29.6万円 |
これが5年間のリアルな数字だ。平均で割ると年6万円弱になるが、4年目だけ見れば16万円を超えている。
この記録は「これからどう備えるか」のための参考にしてほしい。保険を使うべきかどうかの判断は、自分の家計状況やリスク許容度によって変わる。その話は別の記事で整理するつもりだ。
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