猫を飼うか迷っている一人暮らし男性へ:仕事が忙しくても飼えるかの判断基準3つ

猫の迎え方

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この記事でわかること

  • 仕事が忙しい一人暮らしで「飼えるか判断する」ための具体的な3つの基準
  • 週3〜4日リモートワークの30代男性が実際に自分に課した条件
  • 5年後の時点で、その判断は正しかったか
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「忙しくても猫は飼える」という記事はたくさんある。でもその答えは半分しか正しくない。

飼えるかどうかは、「忙しさの程度」だけじゃなくて「その人の財務状況・生活形態・猫が死んだときに向き合えるか」も含めて判断しないと意味がない。

ここでは、僕が保護猫を迎える前に自分に課した3つの判断基準を書く。「飼い始めてからの話」はあまり書かない。この記事は「飼うかどうか決める前」に読む記事として位置づけている。


「飼えるかどうか」を判断する前にやめるべき考え方

まず最初に、判断を狂わせる考え方を2つ書いておく。

「忙しさは問題ない。猫は独立心が強いから」

これは半分本当で、半分誤解だ。猫は犬ほど構ってもらわなくても平気な動物ではある。ただ「構わなくていい」わけじゃなくて「犬ほど頻繁に必要としない」というだけだ。帰宅が遅い日が続けば、食事の管理・トイレの清掃・遊びの時間のすべてが滞る。

「とりあえず飼ってみてから考える」

猫は返品できない。トライアル期間のある保護猫の場合でも、トライアルは「環境が合わないケース」のためのものであって「飼えるかどうか不安なので試してみます」というものじゃない。飼う前に自分なりの判断をしておかないと、後から後悔した場合の傷が深くなる。


判断基準1 – 週何時間、猫のために使えるか

「忙しい」の定義が人によって違いすぎる問題

「仕事が忙しい」という言葉は曖昧すぎて判断基準にならない。

週60時間労働でも猫を飼っている人はいる。週40時間でも余裕がなくて飼えない人もいる。要は「猫のために使える時間が何時間あるか」という問題であって、労働時間の長さじゃない。

僕が自分に課した基準は、「帰宅後〜就寝まで、最低1時間を猫に使える日が週5日以上あるか」だった。

食事・トイレの掃除・遊び・ブラッシング。1日最低1時間あれば、最低限の世話はできる。ただし「最低限」であって、理想はもっと長い。

在宅・リモートワークは有利だが万能じゃない

週3〜4日リモートワークというのは、猫を飼う環境としては相当恵まれていると思っている。

出社日でも昼休みに部屋を覗けるし、仕事の合間に猫が膝に来ることもある。「1日中一人にしている感」が薄い。これは精神的な安心感として大きかった。

ただ、「在宅だから大丈夫」という思い込みも危険だ。集中しているときに猫に構えない時間が続いて、猫が鳴く・物を落とすといった行動を取ることがある。「在宅だから猫の要求に応えられる」わけじゃない。「在宅だから猫の状態を観察しやすい」というのが正確だ。

出張の頻度と泊数が問題になるケース

月1〜2回の日帰り出張程度なら、自動給餌器と見守りカメラで対応できる。問題になるのは「月1回以上の1泊以上の出張」が固定的にある場合だ。

成猫であれば1泊2日の留守番は可能とされているが、「可能」と「良い状態」は違う。留守の間、猫は水とフードとトイレだけある部屋で一人で過ごす。それが月に何度も続くと、猫のストレスは蓄積する。

実際、飼い始めてから出張を断る回数が増えた。これは後から気づいた変化で、最初の判断基準には入っていなかった。「出張が増えるフェーズにある仕事」の人は、ここを特に考えておくべきだと思う。


判断基準2 – 月いくら、猫のために出せるか

「年間20万円」という数字の落とし穴

「猫の年間飼育費は約20万円」という情報をよく見かける。フード・猫砂・ペット保険の合計がだいたいそのくらいになる、という話だ。

これ自体は間違っていないが、「初年度」と「2年目以降」で金額が全然違う。

初年度にかかる費用はこんな感じだ。

  • ワクチン(初年度):約1〜1.5万円
  • 去勢・避妊手術:約3〜5万円(保護猫の場合は済んでいることも多い)
  • ケージ・キャリー・猫トイレ・自動給餌器等:約4〜6万円
  • カメラ・その他セットアップ費:約1〜2万円

計15〜20万円程度が「飼い始めに必要な一時費用」として加算される。初年度の実際の出費は、年間20万円という数字の倍になることもある。

初年度と2年目以降でかかるお金が全然違う

2年目以降の月次費用は、僕の場合こんな感じだ(猫2匹の現在の数字で、当初は1匹なのでもう少し安かった)。

  • フード・おやつ:約8,000円
  • 猫砂・消耗品:約3,000円
  • ペット保険(アニコム損保):約5,100円(2匹合計)
  • 医療費積立:約3,000円

月計:約19,000〜20,000円

1匹の場合は月12,000〜14,000円くらいに収まる。ペット保険込みでこの金額なら、割と現実的な数字だと思う。

ただし、医療費は「積立」が機能しない突発的な支出として発生することがある。

医療費の突発性をどう考えるか

3年前、黒猫が膀胱炎になった。最初は「少し元気がない」程度に見えたが、トイレに頻繁に行くのに何も出ていないことに気づいて、翌朝すぐ病院に連れて行った。

治療は2週間かかり、費用は合計で約15万円だった。

「猫を飼い始めて医療費がかかる」という話は聞いていたが、15万円という数字は具体的に想定できていなかった。当時はペット保険に入っていなかったので全額自費だった。

これがきっかけでアニコム損保に加入した。今となれば「加入してから大きな病気がない猫でも、保険料は払い続けることになる」という点は理解した上でのコストだと思っている。

判断基準として設定するなら、「ある日突然30万円の医療費が来ても、家計が詰まらない財務状況にあるか」が最低ラインだと思う。「詰まらないけど痛い」くらいは仕方ないにしても、「詰んでしまう」状況での飼育は双方のリスクになる。

猫の医療費の目安として、アニコム損保が毎年公開している「どうぶつ白書」に統計データが掲載されている。ペット保険の検討にはアニコム損保の公式サイトで見積もりができる。また、環境省の動物の愛護管理情報も飼育前の参考になる。

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「仕事が忙しい」の具体的なラインを決める

残業時間で考えるとどうなるか

ざっくりとした目安として、「月の残業時間が60時間を超えている場合は一度立ち止まってほしい」と思っている。

月60時間残業とは、平日20日のうち毎日3時間残業している状態だ。帰宅が22〜23時になり、食事や入浴を終えると深夜になる。そこから猫と過ごす時間を作るのは、体力的にも精神的にも難しくなってくる。

月20〜40時間程度の残業なら、帰宅後の時間をある程度コントロールできる。週に2〜3日は22時を超えたとしても、他の日にカバーできる。

ただし、これはあくまで目安だ。残業時間が少なくても、プロジェクトの山が週単位で来るような仕事は、猫を構える余裕がゼロになる週が発生する。大事なのは「平均」より「最悪の週でも最低限のケアができるか」だ。

猫を飼う前に1ヶ月記録をつけてみる

「忙しいから飼えない気がする」という漠然とした不安が続いている場合、1ヶ月だけ生活ログをつけてみることをすすめる。

以下の3点を毎日メモするだけでいい。

  • 帰宅時間
  • 帰宅後の自由時間(何も予定がない時間)
  • 「もし今猫がいたら、この時間に構えたか」

1ヶ月やってみると、「思ったより余裕ある日が多い」か「思ったよりギリギリだ」かどちらかがわかる。感覚ではなくデータで判断できるようになる。

僕もこれをやった。週3〜4日リモートワークという環境で、帰宅後の自由時間は平均して2〜3時間あることがわかった。「余裕ある日が多い」側だった。

なお、生活ログをつけながら「猫がいたらこんなことができる」「こういうときは困るかもしれない」という具体的なシミュレーションをしておくと、飼い始めた後の心理的な準備にもなる。「予想より良かった」か「予想よりしんどかった」かの差が縮まる。


猫の種類・年齢が「忙しい人の飼いやすさ」に関係する

子猫より成猫のほうが向いている理由

忙しい一人暮らしに向いているのは、成猫(1歳以上)だと思っている。

子猫は1日に何度もフードを与える必要があり、体温管理も大人の猫より難しい。一人暮らしで日中10時間前後不在の環境では、子猫の育成はリスクが高い。

成猫であれば1日2回の食事で基本的に問題ない。自動給餌器との相性も良い。

保護猫を選ぶ場合、成猫の引き取りを受け付けている団体は多い。むしろ成猫のほうが里親が見つかりにくいケースがあり、「忙しい人でも飼いやすい」という視点で成猫を選ぶことは、猫にとっても良い選択だと思う。

多頭飼育の「解決策」は正解じゃないこともある

「2匹飼えば留守中に遊び相手ができる」という話を聞くことがある。

正しくはあるが、2匹分の食事・医療費・手間が倍になることも考慮すると、飼い始めから多頭飼育を選ぶのは難易度が上がる。

まず1匹飼ってみて、「1匹では寂しそうだ」「世話の余裕がある」という実感が積み上がってから2匹目を考えるのが現実的だ。


「飼えるかどうか」の最終チェックリスト

3つの判断基準に加えて、飼う前に確認しておきたい項目をまとめる。

環境面

  • ペット可物件に住んでいるか(確認必須。「黙って飼う」は退去リスク)
  • 部屋に脱走防止の対策ができるスペースがあるか
  • 自動給餌器・見守りカメラを設置できる環境か

財務面

  • 月12,000〜15,000円(1匹・ペット保険込み)の固定支出を組み込めるか
  • 初年度の一時費用(15〜20万円)を準備できるか
  • 突発的な医療費30万円が来ても家計が破綻しないか

時間面

  • 帰宅後、1日最低1時間を猫のために使える日が週5日以上あるか
  • 月1回以上の2泊以上の出張がある場合、預け先(ペットシッター・ペットホテル)を用意できるか

心理面

  • 猫が死んだときのことを想像して、「それでも飼いたい」と思えるか
  • 「構えない日があっても罪悪感を抱えすぎない」心理的余裕があるか

これらすべてに「はい」と言える状態なら、仕事が忙しくても猫は飼える。1〜2項目が「まだ準備不足」なら、その項目だけ対処してから動いたほうがいい。

「どれも微妙」な状態なら、飼い始めるタイミングを半年ずらすことを考えてほしい。


判断基準3 – 猫が死んでも大丈夫か

これが一番大事で、一番考えたくない話

猫の平均寿命は室内飼いで15〜16年とされている。今から飼い始めたとして、猫は45〜50歳頃に死ぬ計算になる。

「15年後の自分がその死を受け入れられるか」。

これが3つめの判断基準として設定した問いだった。

保護猫の面談で、担当者に「猫が死んだらどう思いますか」という質問をされた。正直、準備していなかった。「悲しいと思います」という答えしか出てこなかった。

ただ、その夜、少し真剣に考えた。

「猫の死」を想像してから飼うことの意味

「猫が死ぬ場面を想像してから飼うのは縁起が悪い」という発想もわかる。

でも、これを考えておかないと「後悔して飼い始める」か「後悔しないために飼わない」という二択から出られない。

「この猫と15年生きて、最後を看取る」という関係を飼い始めから想像できているほうが、長い飼育の質が上がると思っている。

「猫が死んでも大丈夫か」という問いは、「死を受け入れる覚悟があるか」だけでなく「その悲しみを経験してでも一緒に生きたいか」という問いでもある。

答えが「それでも飼いたい」なら、飼い始める準備ができている。

「考えたくない」というのも一つの答えだ。ただ、その場合は「まだ飼い始める時期ではないかもしれない」という信号として受け取ってほしい。猫の死は飼い始めた瞬間から確定している未来で、それを先送りし続けることはできない。


3つの基準を自分に当てはめた結果と、飼った後の正直な答え

当時の自己採点

飼う前に3つの基準で自分を採点してみると、こんな感じだった。

  • 週何時間使えるか:週3〜4日リモートで1日1時間は確保できそう → 合格
  • 月いくら出せるか:貯金があり月2万円の追加支出は問題ない → 合格(ただし突発的な高額支出の想定が甘かった)
  • 猫が死んでも大丈夫か:考えたことがなかったが、考えたら「それでも飼いたい」になった → 合格(保護猫面談をきっかけに答えが出た)

3つとも「合格」だったので、飼うことにした。

5年後の正直な答え

飼って後悔したか? これは「後悔した瞬間」と「全体として後悔したか」で答えが変わる。

後悔した瞬間はある。黒猫が夜中に急に嘔吐してパニックになったとき、一人で夜間救急病院に連れて行きながら「隣に誰かいれば」と思った。出張を断ることが増えて、キャリアの選択肢がやや狭まったとも感じる。

全体として後悔しているか、と聞かれたら、していない。

ただ、「後悔していない」は「良いことしかない」じゃない。後悔した瞬間も含めて、「それでも良かった」という感覚が5年後にはある。

「飼うかどうか」を迷っている時期に感じた不安の大部分は、実際に飼い始めると具体的な問題に変わる。具体的な問題は、対処できる場合がほとんどだった。

ただ、ひとつだけ言っておく。「飼った後の話」はここではあまり書いていない。飼い始めてからの日常管理・留守番の実態・ルーティンなどの話は別記事にまとめている。この記事はあくまで「決断前」のための話だ。決断ができたら、次のステップは実際に動くことだと思う。


飼い始めて変わった「仕事への姿勢」

これは予期していなかった変化の話だ。

猫を飼い始めてから、「今日は早く帰ろう」という動機が生まれた。残業を減らしたくなる理由が、仕事の外にできた。

残業が多かった時期は、「どうせ帰っても一人だし」という感覚があった。それが正確かどうかはわからないが、帰宅を急ぐ理由がなかったのは事実だ。

猫がいると、帰る理由が具体的になる。「そろそろフードの時間だ」「今日は遊んであげたい」というような理由だ。

結果的に、猫を飼い始めてから残業時間が減った。これは「猫のせいで仕事に支障が出た」ではなく、「猫がいることで仕事の時間の使い方が変わった」という話だ。因果は逆に見えるが、「仕事が忙しいから飼えない」という前提が、飼い始めることで崩れることもある。

もちろん、仕事の繁忙期や締め切り前は変わらず夜遅くなる。そういうときは自動給餌器と見守りカメラに頼る。「毎日十分な時間が取れる」わけじゃないけれど、「取れる日に取ればいい」というバランス感覚は飼い始めてから養われた気がする。

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Photo by Giannis Skarlatos on Unsplash

まとめ:仕事が忙しい一人暮らしでも飼えるかの判断

3つの判断基準を再確認しておく。

  • 判断基準1:週何時間、猫のために使えるか(帰宅後1時間×週5日以上が目安)
  • 判断基準2:月いくら、猫のために出せるか(月12,000〜15,000円+突発的な30万円に耐えられるか)
  • 判断基準3:猫が死んでも大丈夫か(それでも飼いたいと思えるか)

3つすべてに「飼える」と言えた上で、飼い始めてから5年たった今も後悔はしていない。忙しさを理由に諦めることはなかった。

「忙しいかどうか」より「準備ができているかどうか」のほうが大事だ、というのが5年後の答えだ。


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