キャットウォークを作って、2週間は猫が使わなかった。
1万6千円かけてディアウォールで設置して、棚板5枚並べて、「これで猫が喜ぶだろう」と思っていた。が、キジトラは棚板のにおいを嗅ぎにいくだけで、上まで登らない。黒猫はそもそも近づかない。
このまま飾りになったらどうするのかと思い始めた2週間後、キジトラが突然1番上の棚まで一気に駆け上がった。理由はわからない。それからは毎日使っている。
この記事は、賃貸1LDKでキャットウォークをDIYした記録だ。設置の手順・材料費の内訳・失敗したポイント、そして退去時の原状回復についても包み隠さず書く。「猫が使わないリスク」についても触れる。
この記事でわかること:
- ディアウォール+棚板構成の設置手順と材料費内訳
- 実際に失敗した棚の高さ間隔・幅の問題
- 賃貸での原状回復の注意点(退去前の実体験ではないため、わかる範囲で)
賃貸でもキャットウォークは作れる、ただし条件がある
賃貸でキャットウォークを作るとき、一番のハードルは「壁を傷つけない」ことだ。
壁に棚受けを直接打ち込めれば話は早い。ただ賃貸の場合、壁への穴あけは原状回復の義務が発生する可能性がある。「どこまでが原状回復の対象か」は物件や管理会社によって異なるが、避けられるなら避けたほうがいい。
そこで使うのが「ディアウォール」だ。2×4材に上下の専用キャップをはめて、天井と床を突っ張り固定する仕組み。内蔵スプリングで固定されるため、壁に一切穴を開けない。その柱に棚板を取り付けてキャットウォークにする。
ただし、この方法にも条件がある。
設置可能な条件:
- 天井材が木造や石膏ボードの場合は圧力の逃げ場があるが、鉄筋コンクリートの場合は突っ張り圧が強すぎると天井に跡が残る可能性がある
- 天井高が2.1m〜2.6mの範囲であれば対応しやすい(それ以外はセット品だとサイズが合わないことがある)
うちのマンションは築12年の鉄筋コンクリート造。天井高は約2.4m。設置はできたが、天井部分のキャップ接触部分には少し跡がある(退去前なのでどうなるかはまだ不明)。
うちが選んだ方法:ディアウォール+2×4材+棚板の構成
材料と費用の内訳
| 材料 | 数量 | 費用(目安) |
|—|—|—|
| ディアウォール上下セット | 2セット | 約4,000円 |
| 2×4材(6フィート・約182cm) | 2本 | 約1,500円(ホームセンターでカット依頼) |
| 棚板(幅30cm・奥行20cm・長さ60cm程度) | 5枚 | 約5,000円 |
| L字棚受け金具 | 10個 | 約3,000円 |
| ビス(棚受け固定用) | 1袋 | 約500円 |
| 合計 | — | 約14,000〜16,000円 |
木材の価格はホームセンターによって異なる。2×4材は自分でカットしても良いが、ホームセンターでカットしてもらうほうが精度が高く、運搬も楽だ。1カット50〜100円程度でやってもらえる。
棚板は既製品の化粧板を使った。ホームセンターのDIYコーナーで売っている、表面が加工された木製の板だ。猫が上を歩くので表面が滑りすぎないタイプを選んだ。サンドペーパーで少し粗くしてから設置した。
設置手順の流れ
- 2×4材の長さを計測・カット: 天井高から約45mm引いた長さにする(ディアウォールのキャップ分)
- ディアウォールのキャップを装着: 上側のキャップを先にはめる。スプリングが入っている側が上
- 柱を立てる: 壁際に2本の柱を設置する。柱間隔は60〜70cm程度が安定する
- 棚板の位置をマーキング: 猫が飛び移れる間隔(45cm以上)で棚の位置を決め、鉛筆でマークする
- L字金具を柱にビス留め: 水平器(スマホのアプリでも可)で水平を確認しながら固定する
- 棚板を乗せてビス留め: 棚板をL字金具の上に置き、棚板側からビスを打って固定する
一人でやると工程3〜5が大変だ。柱を立てながら棚受けを取り付けるには、柱を固定する人と金具をつける人に分かれるほうが効率的だった。実際にやってみたら、一人作業で2時間かかった。友人に手伝ってもらえばよかったと思った。
やってみて失敗したこと
棚の高さ間隔を狭くしすぎた失敗
最初に設置したとき、棚の間隔を35cmにした。「猫は飛び跳ねるから35cmもあれば十分だろう」という判断だった。
キジトラが試しに1段目に乗ったが、2段目へ飛び移ろうとしたときに頭が棚板にぶつかりそうになって、途中で止まった。「無理じゃん」という顔をして降りてきた。
間隔を45cmに広げたら、普通に飛び移れるようになった。
調べると、猫が快適に上下移動するためには棚間隔45cm以上が推奨されているようだ(後から知った)。自分で調べてから設置するべきだった。
間隔を変えるにはすべての棚板を一度外してつけ直す必要があり、1時間の作業が発生した。材料費は変わらなかったが、手間は2倍になった。
棚板の幅が足りなくて猫が使わなかった失敗
最初に用意した棚板の幅は25cmだった。猫が乗るには十分だと思っていたが、問題はUターンだ。
25cm幅の棚でキジトラが方向転換しようとすると、体がはみ出してバランスを崩す場面が何度かあった。怖がって使わなくなった棚が1枚あった。
30cm幅に変えてからは問題なく使えるようになった。
猫の体の大きさによるが、成猫の場合は30cm以上の幅を確保しておいたほうが無難だ。特に、キジトラのような活発に動き回る猫には余裕が必要だと感じた。
賃貸での原状回復:退去時に何が問題になるか
正直に書く。うちはまだ退去していないので、退去時にどうなるかは実際には経験していない。
ただ、現在の状態で気になっていることは2点ある。
天井への圧力跡: ディアウォールのキャップが接触している天井部分に、少し跡が残っている。目立たない程度だが、退去時に指摘される可能性はある。
2×4材の底部の床跡: ディアウォールの下側キャップは床に直接接触している。クッション材を挟んでいるが、長期間おくと跡が残る可能性がある。
退去時の扱いについては、一般的には「ディアウォールは壁に穴を開けないため原状回復義務は生じにくい」とされているが、物件や管理会社の判断によって異なる。心配な方は事前に管理会社に確認しておくことをすすめる。
国土交通省が公開している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常の使用による損耗は借主の負担にならないとされている。ただしガイドラインはあくまで指針であり、契約内容によって異なる(参考:国土交通省)。
DIYで使用する木材・金具の安全基準については、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が製品安全に関する情報を公開しており、棚受け金具の耐荷重確認などの参考になる。
2年使ってみてわかったこと
キャットウォークを設置して2年が経った。
よかったこと:
- 猫2匹の縦移動が増えた。特にキジトラはキャットタワーとキャットウォークを合わせて使い、部屋全体を立体的に使うようになった
- 黒猫はあまり使わないが、キジトラが使っていることで「黒猫専用のキャットタワー」の状態になり、むしろ黒猫が落ち着いて過ごせるようになった
- 来客に「おしゃれ」と言われるようになった(個人的にはそれほど重視していない)
微妙だったこと:
- 棚板の上にほこりと毛が溜まる。高い場所なので掃除しにくい。2週間に1回、脚立を使って拭いている
- 最初の2週間は猫が使わなかった。使うかどうかは猫次第なので、「絶対使う」という保証はない
費用対効果:
材料費約16,000円、設置時間約2時間。猫2匹のうち1匹がほぼ毎日使っているので、2年で見ると悪くない投資だったと思う。ただ使わなかったケースでは別の評価になっていたはずだ。
キャットウォークを作るかどうか迷っている人に伝えるとしたら、「猫が気に入るかどうかは設置してみないとわからない」ということだ。設置してすぐ使うことも、2週間放置してから急に使い始めることも、どちらもある。費用が無駄になるリスクは承知の上で作ることになる。
もし「設置してみたが使わない」という状態が続くなら、棚の位置を変える・キャットタワーとの高さを合わせる・猫が好きなにおいのするものを棚板に少し置く、といった工夫を試すのが有効だという声もある。うちはキジトラが2週間後に突然使い始めたが、理由は今もわからない。猫はそういうものだと思っている。
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